トップページ > 生涯学習・公開講座 > 生涯学習特別講義 > 第23回(平成23年度 第3回)
※人間総合科学大学は、さいたま市及びその近隣の大学にて平成23年10月に設立された「大学コンソーシアムさいたま」に参加しています。
「生涯学習特別講義」は本学独自のネットワークにより、社会の第一線で活躍する著名な先生をゲスト講師として招き、講義やパネルディスカッションを行う特別講義です。
2011年度第3回生涯学習特別講義「人間の能力は、遺伝子か環境か」(2012年3月10日開催)では、慶應義塾大学教授の安藤寿康先生を招き、「生まれか育ちか」(生得的な遺伝要因か、後天的な環境要因か)という、長年議論されてきた論争に、心理学・生化学・人類学などの観点から考察しました。
各先生方の最新の知見を踏まえた講義により、受講者の方々は遺伝と環境の関わりについて、新しい知識を得られたことと思います。本講義で得られた“知識”を、実生活に役立つ“知恵”として活用して頂ければ幸いです。
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「生まれ」か「育ち」か?は、長い間心理学で大きな関心を持たれてきたテーマといえます。現在に生きる私たちにはある程度「生まれ」も「育ち」も二者択一すべきものではなく、ともに重要であるという認識が共有されています。この問題がこれまでどのように捉えられてきたかを振り返るとともに、20世紀後半の事例とその結果などを提示し、「生まれ」と「育ち」をどのように捉えられるかについて考えました。
ヒトの身体を含め生物の体はDNAに刻まれている情報つまり遺伝子をもとにできています。この遺伝子の情報がどのように発現し生物の体を作るのでしょうか。そこには遺伝子のスイッチともいうべきものが関与していることが明らかになってきました。このスイッチにより同じ遺伝子を持つにも関わらず違う発達の仕方を示す場合があります。今回はこの遺伝子のスイッチの可能性について話をしました。
社会生物学は、遺伝子を単位に生物の社会行動の進化を考える比較的新しい学問分野のひとつです。昨年の大震災では、多くの市民が被災者のお役に立ちたいと願い、行動しました。私たちは、困っている他者を手助けしたいと願い行動するサルの仲間なのです。でも、ヒトと遺伝子の98.8%を共有しているチンパンジーにとっては、このような心の在り方は当たり前のことではありません。なぜなのでしょうか。社会生物学の視点から、ヒトの優しさと思いやりの起源について考えました。
肉体的な形質と同じように、能力(才能やスキルなど)、知的能力や性格などといった心的形質も多かれ少なかれ遺伝の影響を受けています。そして、肉体的形質と同じように、環境の影響ももちろん受けています。人間の心的形質に対して、遺伝と環境の両方の影響がどれだけ違いがあるか、影響が強いかを、生き物としてのヒト、文化環境を備えた人の両面から講義しました。
